『新潟へ・・・(その一)』10月12日(日)
2003年10月15日今日、僕はキャンセル待ちの末にようやくゲットできた切符を持って、新潟行きの新幹線に乗った。「新潟赤ちゃんめぐり」をするためだ。
新潟在住のりょう君と、同じく新潟の実家に一時帰宅中のけいこ嬢から「子供が生まれた」との報告を受けたのは、今年の夏のことでした。ホントは子供が生まれる前に一度会っておこうと思ったんだけど・・・、予定が合わなかったことと、妊婦さんにストレスを感じさせてはマズイということで、延び延びになっていたのでした。
ところで、キャンセル待ちで取った切符はなかなかにスリリングです。もちろん、一人旅だからそういう風に感じるのかも知れなけれど、キャンセル待ちをするほど混雑するなら隣には間違えなく人が座っているので、だったら自由席の方が良いかな・・と。
そして今回の僕は、典型的なキャンセル待ちの席に座ることになったのです。つまり、僕の席は団体客の中にあったのでした。
新幹線に乗り込んだ僕は、自分の席番号を探しました。しかし、空いている席はありません。見過ごしたのかと思い、もう一度探してみると、通路を挟んで左右5つの席が2列向かい合わせになっている集団の中に、僕の席はありました。これはつまり、9人の集団の中に組み入れられてしまったのです。しかもその集団は皆オジサマ。すでに酒宴が始まっています。
それにしても、この集団に飛び込むのはなかなか勇気がいることでした。しかも、僕が指定されていた窓側の席は別のオジサンが占領していたので、僕は丁重に、しかし毅然とどいていただきました。一瞬、オジサンは不快そうな表情をみせましたが、その表情に気づかぬふりをして窓際をゲット。周りのオジサンたちは、集団のなかに入り込んだ若造に視線を注いでいます。
新幹線が動き出してしばらく後、斜め向かいのオジサンが声を掛けてきました。
「にいちゃんどこへ行くんだい?」
「長岡までです。」
「クニ(故郷)に帰るんかい?」
「いや。友達に子供が生まれたので見に行くんです。」
「そうかい。」
「皆さんはご旅行ですか?」
「あぁ。会社の仲間で金沢にね。」
「そうなんですか・・・。」
とりとめもない会話である。
でも、この会話のおかげで雰囲気が一変したことは間違えない。その流れで、僕は酒宴をしているオジサン方から缶ビールとサンドイッチと缶チューハイをいただいた。もちろん、朝から酒など飲めないので、サンドイッチだけいただくことに。
まぁとにかく、僕は何とかオジサン方の中に入り込むことができました。やはりキャンセル待ちで得た席はスリリングなものです。
オジサン方とは越後湯沢で分かれました。そこから特急に乗り換えるようです。一気に周りがあいたのでちょっとさびしくなりましたが、ようやく落ち着ける雰囲気になったことは事実です。
11時52分。新幹線は『長岡』に到着しました。
(つづく)
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